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09.宮代善爾の救援

※登場人物による同性愛に対する差別的な見解や発言、パワハラ、PTSDを不用意に刺激する発言、描写が含まれます※「心配だけど、時間に行かないとまた 文句言ってくるだろうから……」「大丈夫ですよ、宮代さんがついててくれるんですから」 嫌な事言わ…

08.崎谷樹の抗戦

※登場人物による同性愛に対する差別的な見解や発言、パワハラ、PTSDを不用意に刺激する発言、描写が含まれます※ 腹が、減ったな。 このところ三食真面目に食べていたせいで余計にそう思うんだろう。採血されるところを目の当たりに、腕には未だ止血の…

07.宮代善爾の反省★

「あれ、崎谷は?」「健康診断に直行です」「あ~、こないだアンタら二人一緒に行く とかねーわっつったやつか。 崎谷、結局全然太れてなかっただろ」「そうなんですよ……。 量食べる習慣がない上に がっつり系があんまり好きじゃないみたいで」「宮代ク…

06.崎谷樹の惑乱★

「キスを、してもいいかな」 宮代さんの目にいつもと違う熱がちらついて、俺は唾を飲み込む。 キスしてほしい。したいと思ってくれたことが嬉しい。 うまく言葉に出来ないから、大きな手をとり自分の身体に導いた。 脇腹から、あばら骨の隙間をなぞるよう…

05.宮代善爾の懊悩★

※攻めの自慰描写があります※ 洗浄目的以外で、これを久しぶりに触る。 このところ――崎谷くんと所謂お付き合いということに至ってからというもの、長くご無沙汰だった感覚が少しづつ戻ってきた、ような気がする。逆にもし欲求が正常に身体の反応として表…

04.崎谷樹の浄化

「崎谷くん、好きです」 あれ、俺、もう家に帰って寝てたんだっけ? そもそも今日はコンディションは最悪だった。酔っぱらって、泣いて、寝て……寝転んだだけで。意識が途絶えた実感なく朝になり出社。珍しくギリギリに慌てて出勤してきた宮代さんの剃り残…

03.宮代善爾の覚醒

 不覚。その一言に尽きる。 始業3分前を切って駆け込むなんてことは、メンタルヘルスがどん底だった時にもやらかしていない失態だった。 いい歳をして馬鹿みたいだけど、眠れなかったのだ。 崎谷くんに、会社を離れてもおれに時間をくれるか、と、無茶な…

02.崎谷樹の諦念

「崎谷ァ、お前……結構、やべぇな……」「す、すいません……」「や、あーしも悪かった。今はいいわ。 あとで宮代クンと一緒にやっといて」 ある意味怒られるよりキツイな……。 那須さんと二人がかり、複合機を動かそうとした揚げ句微動だにしない有様に…

01.宮代善爾の逡巡

「善爾、アンタねぇ…… 新卒の子にそんな面倒かけてどうすんの?」「うん……崎谷くんにはほんとに申し訳ない」「一応はアンタが教育係とかなんでしょ? 介護されちゃってるじゃないの」「だよねぇ……いくら『宮代さんの役に立ちたいんです』って 言って…

ネコの気持ちはわかるまい

新卒採用の会社でいきなり、ネットに載せられていた過去の写真を理由に左遷扱いを受けたゲイでネコを自認する崎谷樹(さきや いつき)。配属先の所属長、宮代善爾(みやしろ ぜんじ)は崎谷の好みそのもので、「待っていた」という言葉に心中密かに喜ぶがその裏には会社の理不尽故の事情があって――。